「寒そうにコートの襟を立てて歩く旅人がいました。
あのコートを吹き飛ばして脱がしてしまうのは、北風か?太陽か?」
と言うお話です。
結末は、
北風が力一杯吹けば吹くほど旅人はコートをしっかりと体に巻きつけ、
太陽がニコニコ微笑んだ途端に旅人はコートを脱ぎ捨てた。
「絶対北風が強いんだ!」と思っていた子供の私にとって、この結末は感動的でした。
太陽のやり方の、なんとスマートなことか!
世の中の人がみんな「太陽」だったら、この世界はもっと住み良くなるだろうな。
みんなが誰からも暴力を受けずに、誰もが嫌な思いをすることなく、自分からコートを脱ぐんだから。
今の世界には、北風が吹きすさんでいる。